次世代育成支援「モデル計画」作成の手引きQ&A
Q1 事業主が次世代育成支援対策に取り組む必要性はなぜなのですか
Q2 事業主が次世代育成支援対策に取り組むことによるメリットは何ですか
Q3 行動計画を策定、実施するにあたっての留意すべきポイントは何ですか
Q4 行動計画を策定し、実施するために企業においてどのような体制整備が必要ですか
Q5 行動計画に定めた各種措置の対象として、パートタイム労働者・期間雇用者等を対象にすべきですか
Q6 行動計画はどのような構成になるのでしょうか
Q7 行動計画の計画期間は、どれくらいの長さに設定したらよいですか
Q8 子育てをする労働者がいない場合でも行動計画を策定しなければなりませんか
Q9 次世代育成支援対策を進めるにあたって、利用できる助成措置はありますか
Q10 行動計画を策定したら、どのような手続きが必要ですか
Q11 行動計画は外部に公表しなければならないのですか
Q12 一般事業主行動計画に盛り込む具体的項目
行動計画例
<レベル別>
(1)小規模事業所向けの行動計画 計画例A [Word]
(2)一般企業向けの行動計画 計画例B [Word]
(3)認定を受けることを希望している企業向けの行動計画 計画例C [Word]

<業種別>
(1)<女性>が多い事業所の行動計画
  @製造業 計画例D [Word]
  A卸・小売業 計画例E [Word]
  B金融・保険業 計画例F [Word]
  Cサービス業 計画例G [Word]

(2)<女性>が少ない事業所の行動計画
  @運輸・通信業 計画例H [Word]
  A建設業 計画例I [Word]


次世代育成支援「モデル計画」作成の手引きQ&A
Q 事業主が次世代育成支援対策に取り組む必要性はなぜなのですか
A1  急速な少子化の進展はわが国の将来を展望した場合、社会経済全体に極めて深刻な影響を与えることになります。
少子化の主要な原因の一つとして仕事と子育ての両立による負担感が挙げられます。そのため、企業においても男性を含めた働き方の見直し等の次世代育成支援対策に取り組むことが求められています。
 少子化の進行は、労働者を雇用して事業活動を行う企業にとって、将来の労働力確保が難しくなることを意味します。また、企業を将来にわたり維持発展させていくためには、多くの需要が不可欠ですが、少子化の進行により人口が減少していくと、需要の減少をもたらし企業活動の存立基盤を揺るがすことにもなりかねません。
 このため、事業主にとっても次世代育成支援対策に真剣に取り組んでいくことが求められています。
Q 事業主が次世代育成支援対策に取り組むことによるメリットは何ですか
A2  まず労働者のモラール(労働意欲)上昇による生産性の向上が期待できます。
 また、出産や育児等を理由に退職する労働者が減少することにより、優秀な人材の確保、定着等が図れます。
 さらには、企業のイメージアップが図れます。
Q 行動計画を策定、実施するにあたっての留意すべきポイントは何ですか
A3  労働者が子育てをすることによる喜びを実感し、仕事と子育ての両立ができるようにするという観点から、労働者のニーズを踏まえた対策を実施することが必要です。
 トップの理解のもと、企業全体で取り組むことが必要です。
 企業の実情を踏まえた効果的な取り組みを自主的に決定し推進することが必要です。
 取り組みによる効果(企業のイメージアップ、人材の確保と定着等)があることを理解し、主体的に取り組むことが必要です。
 国、地方公共団体、地域社会とともに、社会全体で協力して取り組むことが必要です。
Q 行動計画を策定し、実施するために企業においてどのような体制整備が必要ですか
A4  次世代育成支援支援対策に取り組むための体制としては人事労務担当者、労働者の代表等を構成員とした社内委員会の設置とか、管理者や労働者に対する研修・講習・情報提供とか、仕事と子育ての両立についての相談窓口の設置と担当者の配置が必要です。
 小規模の企業にあっては、特段の体制整備を必ずしも必要としておらず、企業全体で理解と関心を深めて取り組めばよい場合もあります。
Q 行動計画に定めた各種措置の対象として、パートタイム労働者・期間雇用者等を対象にすべきですか
A5  労働基準法や育児・介護休業法においては、それぞれの法律に規定される制度について、対象となる労働者の範囲が定められています。しかし、各企業の実情に応じて法令上対象となることとされている労働者の範囲よりも広い範囲の労働者に対して次世代育成支援対策を講じることは、好ましいことであるといえます。
Q 行動計画はどのような構成になるのでしょうか
A6  行動計画は「計画期間」、「目標」、「目標を達成するための対策と、その実施時期」の記載が必要です。
 目標はいくつ設定しても構いません。
Q 行動計画の計画期間は、どれくらいの長さに設定したらよいですか
A7  概ね2年間から5年間の範囲とすることが望ましい、とされています。
Q 子育てをする労働者がいない場合でも行動計画を策定しなければなりませんか
A8  子育てをする労働者がいるか、いないかにかかわらず行動計画を策定しなければなりません。
Q 次世代育成支援対策を進めるにあたって、利用できる助成措置はありますか
A9  厚生労働省では、事業主に対して仕事と育児等の「両立支援等助成金」を支給しています。
 
Q10 行動計画を策定したら、どのような手続きが必要ですか
A10  常時雇用する労働者が101人以上である事業主は行動計画を策定した旨を都道府県労働局に届け出なければなりません。100人以下の事業主にあっては行動計画を策定し、その旨を届け出るよう努めなければなりません。
 変更の際の届け出は、行動計画を策定した旨の届け出と同じ要領です。
Q11 行動計画は外部に公表しなければならないのですか
A11  啓発資料の作成・配付、研修・講習の実施等により労働者への周知をはかることが必要です。たしかに外部への公表は義務づけられていません。しかしながら、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・提出を促進するための決意を内外に向けて示す努力を怠らないことは求められます。
Q12 一般事業主行動計画に盛り込む具体的項目
A12
<※印は就業規則変更を伴うもの、または導入の難易度が高いもの>
(1)子育てを行う労働者の職業生活と家庭生活との両立を支援するための雇用環境の整備関連
※@子どもの出生時における父親の休暇の取得
   2週間等の取得しやすい制度からの実施をまず検討してください
  Aより一層利用しやすい育児休業制度の実施
  B育児休業を取得しやすく、職場復帰しやすい環境の整備
   ・企業トップによる、子育て支援への取り組み姿勢の内外へ向けての表明
   ・育児休業に関する定めの周知等(社内広報誌、ポスター等)
   ・育児休業の取得促進をはかるための研修の実施
   ・育児休業中の代替要員の確保等
   ・育児休業をしている労働者の職業能力の開発及び向上等
   ・育児休業後における原職又は原職相当職への復帰
   ・育児休業期間中の研修制度(育休後に職場復帰する予定者への支援措置)
   ・複数業務の習熟のための研修の実施(代替要員不足への対応)
   ・相談窓口の設置
   ・担当者(職業家庭両立推進者)の選出
   ・取得事例の情報共有化(「よかった」、「おたがいさま」の声を広げる)
   ・育児休業取得者が昇進、昇格にマイナスとならないことの確認
  C短時間勤務制度等の実施
※ ・短時間勤務制度の実施
※ ・フレックスタイム制の実施
※ ・時差出勤の制度(始業又は終業の時刻の繰り上げ又は繰り下げ)の実施
   ・所定労働時間を超えて労働させない制度の実施
   ・ノー残業デーの設定
※ ・残業免除制度の実施
※ ・リフレッシュ休暇制度の実施(年間5日)
※ ・月1回の3連休制度の実施
※ ・一時外出を認める制度の実施
  D事業所内託児施設の設置及び運営
※ ・自社単独での設置
   ・複数企業による共同設置
  E子育てサービスの費用の援助の措置の実施
   ・ベビーシッターへの補助金を出す
※ F子どもの看護のための休暇の措置の実施
   G勤務地、担当業務等の限定制度の実施
※  ・転勤免除制度の実施
   Hその他子育てを行う労働者に配慮した措置の実施
※  ・10歳未満の子どもを養育する保護者に対しての育児短時間勤務制度
   I諸制度の周知
※ J育児等退職者についての再雇用特別措置等の実施
(2)働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備関連
   @所定外労働の削減
   A年次有給休暇の取得の促進
※ B多様就業型ワークシェアリングの実施
   Cテレワークの導入
   D職場優先の意識や固定的な性別役割分担意識等の是正のための取り組み
※ Eブリッジ制度(多様な就業形態を選択し、行き来できる制度)の実施
※ Fスキルアップ休暇制度の実施
※ G在宅勤務制度の実施

(3)その他の次世代育成支援対策に関する事項
   @子育てバリアフリー
   A子ども・子育てに関する地域貢献活動
   ・子ども・子育てに関する活動の支援
   ・子どもの体験活動等の支援
   ・子どもを交通事故から守る活動の実施や支援
   ・安全で安心して子どもを育てられる環境の整備
   B企業内における「子ども参観日」の実施
   C企業内における学習機会の提供等による家庭の教育力の向上
   D若年者の安定就労や自立した生活の促進


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